人件費の無駄遣い対策を効果的に行うための働きかけで先ず挙げられるのは、個人への働きかけです。

　そもそも個人の育成を図り個人の生産性を上げないことには、人件費の無駄遣いの解消には近づきません。

　何だ！育成か？？？興味ない！！
育成を行うと社員が他に転職してしまう懸念があるからやらない。育成は自分でやるもの、育成に金をかけるくらいなら製品開発や販売促進や広告宣伝に使った方がましだ。
と言われそうです。

■栄養補給がなければエネルギーは枯渇する

　経験上言えることですが、働かせ続けるばかりでは、エネルギーは枯渇し、疲弊してしまいます。言われたことだけしかやらなくなります。結果的に生産性は低下し、人件費の無駄遣いは却って増大します。

　疲弊から蘇らせる為には、育成という栄養補給を忘れるわけにはいきません。

　育成された人とそうでない人は、仕事の質に自ずと差が出ます。質の高い仕事が出来る人は質の低い人よりも大きな利益を会社にもたらしてくれることは間違いありません。

　従って、育成にかけるお金はただ単に無くなってしまう物ではなくて、会社に利益を還元してくれます。その意味で“費用”ではなく、“投資”という事が出来ます。

　人の育成を推進する会社では、そうでない会社に比べて、社員のモチベーションは高く、この会社で働いているというプライドを高く持ち、いつまでも働き続けたいという思いが強く、退職率も低くなります。

■社員の育成教育 

　そもそも教育は福利厚生ではありません。また単に社員の教養を高めるためでもない。知識を増やすためでもない。飽くまでも生産性を高めるため、競合他社に打ち勝つため、事業を成長・発展させるためのものであります。

　一般的に教育には、ソフトスキルといわれる交渉力、問題解決力、コミュニケーション、モチベーションアップ、リーダーシップ等、そしてハードスキルといわれ業務固有の専門知識、マネジメント理論、論理的思考、マーケティング等があり、世の中に数えきれない程多くの研修プログラムが存在します。

　しかしどの会社でも、そのようなスキルの全ての研修を社員に提供するわけにはいきません。それらは必要に応じて身につけて貰うのが一般的でしょう。
一方で、折角会社が費用を投じて研修に参加させても、“やらされ感”で参加し、研修の成果を仕事に生かすことが出来ない社員が如何に多いか、長年の経験で厭という程感じています。

　社員力のレベルの低い会社よりは、社員力のレベルの高い会社の方が事業の発展が期待できることは自明の理。ここに企業において教育をする理由があると確信します。

■当方の教育研修目標

　当方の教育研修は、折角会社が提供してくれた研修を無駄にすることがないように造ってあります。
“できる人材”としての意識と行動を身につけ底力を高めることが出来るように造ってあります。言い換えれば「プロフェッショナルとしての資質」を造ることです。

　そんな底力を持った社員が、ソフトスキルやハードスキルのような研修を受講できるチャンスが来たときに、それを自分の成長のために前向きに捉えて確実に仕事に結び付けることが出来る人材に育て上げる事を目標としております。

　パソコンで例えると、ソフトスキルやハードスキルがアプリケーションソフトとすると、当方の主たる研修内容は、それらを動かす基となるＯＳ（基本ソフト）に相当するものだとお考えください。ご承知の通り、ＯＳがないとパソコンは動きません。

　当方の研修の主たる内容の例は、
●「会社の業績向上に結び付く事の出来る、仕事への取組み姿勢や行動力の醸成」、
●「プロフェッショナルへの成長・自分のキャリア形成」を通じて、会社に貢献する人材になることの支援
等です。

　キーワードは、
高い目的意識、強い目標達成行動、自立性/自律性、チームワーク、モチベーションの自己コントロール、変化への対応。究極にあるものは「会社の業績向上への貢献」です。

■具体的な研修の実施方法

第7章をご覧ください。

組織への働きかけ は、第5章をご覧ください。